DX、ICT、IoTって何が違うの?
今更聞けないそれぞれの意味をわかりやすく解説

ICT

近年見聞きすることの多くなったDX・ICT・IoTという用語。その意味するものや違いがわからない方も多いかもしれません。そこで本記事では、DX・ICT・IoTの関係性やそれぞれの意味、そして実際の活用事例を紹介します。

DX・ICT・IoTの関係性

最近見聞きすることの多いDXやICT、IoTといった言葉ですが、それぞれの意味を正確に理解している人は多くないかもしれません。これらの概念は密接に関連しているため、まずはDX・ICT・IoTの関係性を理解することが重要です。

これらのうち、最も基盤となる技術がICTであり、IoTはそれを土台とした通信技術による「モノとヒト」のつながり方を表す概念です。そしてDXとは、ICTやIoTといった手段をさらに活用し、デジタル化の進展による従来のビジネスや組織のあり方を変革することを意味します。
DX・ICT・IoTの関係性を示したのが以下の図です。


この図からわかる通り、DXが最も高い次元に位置しています。ICTやIoTを進めるうえでは、最終目標としてDXを実現する必要があると理解しておくことが大切です。

続いては、DXとICT、IoTそれぞれの意味と活用事例について紹介します。

基盤:ICT 基盤として成長

ICTとは?


ICT(Information and Communication Technology)とは、情報を扱う技術または、それらの情報を活用することを指します。従来は、デジタル化のためのインフラや情報技術のことをITと呼んでいましたが、ICTはITと同義で使われるようになっており、OSやアプリケーションなどのソフトウェア、それらをつなぐネットワークやセキュリティなど幅広い技術を指します。国際的にはITよりもICTという語を使うことが多く、近年は日本でも使用されるようになってきました。
財務・会計、人事・給管理等のバックオフィスが用いるシステムや顧客管理システム、販売管理システム、セキュリティシステムなど企業内で使われているシステムのほとんどがICTの活用といえます。
先に述べたように、ICTはIoTやDXの基盤となる技術であるため、まずはICTに取り組んでいくことが重要です。


ICTを活用した事例

ICTの代表的な活用例として、教育や医療分野での事例が挙げられます。

・事例①:教育現場での活用


教育現場では、教育・指導を円滑に行うための補助的な手段として利用が進んでいます。たとえば、高速かつ大容量の通信環境の実現やタブレット端末の普及により、オンライン授業やデジタル教科書の利用、タブレットを活用した宿題などが実施できるようになりました。


・事例②:医療現場での活用


医療の分野では、これまで1つの病院内でしか保有されていなかった患者の症例などのデータを、他の病院でも情報が共有できるようになりました。そのため、患者が他の病院に移った場合でも、適切かつ迅速な対応が可能です。

成長:IoTあらゆるモノがネットに繋がる

IoTとは?


IoT(Internet of Things)とは「あらゆるものがインターネットにつながる」という意味で、家電や物流、住宅など、あらゆるものがインターネットに接続され、相互に情報をやり取りする仕組みを指し、DXを推進する一つの手段として位置づけられています。IoTが普及することで、外出先から自宅の様子がわかり、自宅の端末を操作できるなど、生活の利便性が向上します。
また、IoTの普及は生産現場にも大きなメリットをもたらします。たとえば、従来は人手で行っていた作業を自動化することで生産性が向上するほか、ヒューマンエラーも回避可能です。さらに、データが蓄積されることで詳細な分析が可能となり、より高品質の製品やサービスの開発に活用できます。

IoTを活用した事例

IoTは私たちの生活のあらゆる場面で存在感を発揮しますが、特に製造業での活用が期待されています
製造業の現場でIoTによって実現するのが、スマートファクトリーと呼ばれるものです。スマートファクトリーとは、生産現場における機器や運搬車等と作業者までもがインターネットにつながることで、業務効率化や品質の向上を達成する新たなタイプの工場を指します。


スマートファクトリーでは生産現場における機器のデジタルネットワークによる連携を行えます。たとえば、製造番号、製造日時・時間などのデータを収集し、業務進歩等を可視化します。これにより業務進捗の把握が容易になり効率化を図れます。さらに、トラブルやクレームが発生した際のトレーサビリティーの把握も行いやすく、迅速に対応することができます。

発展:DX 成長の中でビジネスも変革

DXとは?


情報処理推進機構(IPA)によると、DX(Digital Transformation)は「AIやIoTなどの先端的なデジタル技術の活用を通じて、デジタル化が進む高度な将来市場においても新たな付加価値を生み出せるよう従来のビジネスや組織を変革すること」と定義されています。
単にデジタル技術を活用し、効率性や利便性を向上させるだけではなく、製品やサービス、ビジネスモデルや組織、さらには社会そのものの変革を目指すところが重要な点です。IoTやAI(人工知能)の導入は、究極的にはDX実現のための手段だと捉えられます。
DXを進めることで、業務フローや組織体制を根本的に見直せるようになり、より高度化する市場への対応力を獲得できます。社会基盤としてICTが重要性を増す中で、DXの推進は新たな付加価値創出のために必要不可欠です。

DXを活用した事例

DXの活用事例として、以下ではネットフリックス社とメルカリ社について紹介します。

・事例①:ネットフリックス

ネットフリックス社は、DXによりレンタルビデオショップという従来のビジネスモデルを、ネット配信へと大きく変容させました。CDやDVDなどモノの貸し借りとは違い、ネット配信では顧客の思考や好みをデータとして収集・分析できます。これにより、顧客の関心に沿ったコンテンツを表示できるようになるため、顧客満足度が向上します。
さらにネットフリックス社は、分析結果に基づき顧客を満足させられるコンテンツ制作にも乗り出しました。こうして、新たなビジネスや価値を次々と創出することに成功しています
なお、レンタルビデオショップ業界では、ブロックバスタをはじめとする大手があったものの、物理的なモノの貸し出しにこだわった結果、衰退してしまいました。


・事例②:メルカリ社



メルカリ社は、DXにより新たなCtoCのビジネスモデルを構築しました。従来、ネット上での個人間売買はヤフオク!などのネットオークションサービスが中心でしたが、メルカリ社はフリマ形式にすることで出品のハードルを下げることに成功。スマートフォンを前提としたUIにより、いつでもどこでも売買が可能となり、利用者間のコミュニケーションも円滑になりました。

 

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以上のような事例から、DXは新たなビジネスを生み出すことがわかります。裏を返せば、DXを推進しない企業は変革に取り残され、衰退を余儀なくされる可能性があります。
DXを進めるためには、前述の通りICTやIoT技術の整備が不可欠です。しかし自社の人材のみで対応することが難しい場合は、外部のサポートを活用する必要があります。そこで最適なのが「きらぼしコンサルティング」によるご支援です。
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