海外ビジネスレポート
「コロナウィルスの影響も少なく、ビジネス環境が整うアフリカ・ルワンダ」<後編>
アフリカがどのように経済発展しているのか、コロナウィルスの悪影響はないのか、日本ではアフリカについて知られていないことが多くあります。今回、アフリカ経済発展の奇跡と呼ばれたルワンダで活動するJICA(国際協力機構)ルワンダ事務所の西郡さんに、ルワンダの現状をお聞きしました。【前編はこちら】
JICAルワンダ事務所
ルワンダのニーズ
現在ルワンダで強調されているニーズや政府が推進している取組として、以下が挙げられます。①DXの推進(デジタルサービスを提供するフィンテック企業の支援、E-learningの推進等)、②脱炭素の推進(電気自動車の普及推進等)、③アフリカのワクチン製造ハブ(2022年半ばからドイツのビオンテック社が工場建設開始、現地でmRNAワクチン造へ)、④アフリカ大陸自由貿易協定(2021年1月に運用開始が宣言)。
ルワンダ事務所では過去複数の分野で現地企業調査を実施してきましたが、日本企業との連携に関心あるルワンダ企業も多く、日本から農機や医療機器などを輸入することにも関心を持っています。ルワンダ事務所が纏めたルワンダの課題・ニーズについては、下記JICA民間連携のウェブサイト(※)に情報を掲載しています。
※民間企業の製品・技術の活用が期待される開発途上国の課題 (jica.go.jp)
ルワンダビジネスの可能性
ルワンダの市場は約1260万人と小規模であるため、消費市場としての期待は少ないかもしれませんが、治安もよく生活・ビジネス環境が整っていますので日本企業が初めてアフリカビジネスを行う場所として適切です。実際にルワンダでビジネスを始めて、カメルーンに横展開する事例もあります。ルワンダ政府は新しい技術の実証場所としてルワンダを活用してもらうことを推奨しています。ルワンダで実証実験してからアフリカの隣国や世界に大きく展開するというケースも出てきています。
アフリカビジネスに対応できる人材に不安を感じる人がいるかもしれませんが、「ABEイニシアティブ」制度を活用したアフリカの人材も豊富にいます。ルワンダでは、40名以上が本制度を利用して日本へ留学し、そのまま日本の企業へ就職、またはルワンダに戻り当地日系企業に就職など、様々なところで日本の関係者と連携しています。
ルワンダは生活・ビジネス環境がアフリカの中では整備されている一方、国としての課題もあり、多くのビジネスチャンスが存在します。ルワンダはコロナウィルスの影響が収まっていますので、是非ビジネス環境が整ったルワンダへ訪れて頂き、ご自身の目でルワンダの課題やニーズを視察されることを大歓迎しますし、JICAルワンダ事務所もルワンダへ関心ある企業に役立てるよう積極的にサポートして参ります。
<インタビュアー>きらぼしコンサルティング 蓑田
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≪JICAルワンダオンラインセミナーのご案内≫
アフリカ・ルワンダビジネス応用編―ルワンダビジネスの秘訣―
主催:(独)国際協力機構(JICA)
共催:(株)東京きらぼしフィナンシャルグループ、(株)きらぼし銀行
■日時:2022年9月5日(月)日本時間午後16時~17時
▶詳細・お申し込みはこちらから
◎アフリカ・ルワンダビジネス入門(オンデマンドセミナー)◎
本オンラインセミナーの入門編として、「アフリカ・ルワンダビジネス入門―現地から魅力お届け-」をJICA YouTubeチャンネルに掲載しております。2022年9月末までの期間限定公開となりますので、この機会にぜひご覧ください!
[期間限定]アフリカ・ルワンダビジネス入門-現地から魅力をお届け-(主催:JICA 共催:東京きらぼしフィナンシャルグループ、きらぼし銀行) – YouTube
JICAはルワンダにおいて、支援重点分野(運輸交通・電力、教育・ICT、農業・栄養、水衛生)において、技術協力、無償・有償資金協力、草の根技術協力を実施しています。民間連携事業も主に支援重点分野において実施されています。特に現在は①経済基盤整備(運輸交通、電力)、②農業開発、③水衛生、④科学技術教育・訓練の強化(基礎・高等教育とICTイノベーション)の分野を主に支援しています。
一時期、コロナウィルスの影響でJICAルワンダ事務所を訪れてくれる人が減少していたのですが、最近はケニア等周辺国の日本人駐在者がルワンダの特定センターの状況等を調査するために事務所を訪れて頂ける機会が増えてきました。相談内容として、コロナ前はICT、農業、エネルギー(オフグリッド関連)のお話が多く、現在はICTに加え運輸交通、コーヒーなどの貿易関連となっております。