懸案だった事業承継問題をクリアし
事業展開のビジョンも広がった
合同資源サービス株式会社

長年心に引っかかっていた、将来の事業承継に関わる問題
地域密着の事業を通して環境問題に取り組むことを理念として、神奈川県相模原市を中心に資源物の分別回収やリサイクル処理などを行っています。
私の父親である先代社長が1982年に設立した当時は大量生産・消費によるごみ問題が深刻化しており、当社では相模原市内でいち早く資源リサイクルの事業モデルを確立するなど社会課題に取り組んできました。
私が約16年前に会社を引き継いでからは、より多品目のリサイクルに取り組むなど業容の拡大を目指してきましたが、その一方でオーナーとしての役割を考えると、急ぎではないものの解決すべき課題があることが、ずっと心に引っかかっていました。
その1つが事業承継の問題です。現在、私は50歳を少し超えたところで差し迫った問題ではありませんが、いずれ必ず直面しますから、事前にしっかりと準備しておきたいと思っていました。
私には2人の息子がおり、それぞれ別の仕事に就いています。自分の歩みたい道に進んでほしいと願っており、会社を継ぐかどうかは本人の意向に任せるつもりですが、将来の選択肢を狭めないために、あらゆるケースを想定しておきたいと考えていました。
自分なりにも勉強していましたが、なかなか具体的には動き出せないでいたところ、仲の良い経営者の友人から「すごく良いコンサル会社があるよ」と紹介されたのが、きらぼしコンサルティングでした。
決め手は“オーダーメイド”のプラン
実はそれ以前にも複数のコンサルティング会社から提案を受けていました。そのどれもが、 “既成の箱”のような枠組みを提示され、「どれを選びますか? それぞれのメリットは……」といった説明で、いずれも当社にぴったりとフィットしない部分があると感じて断っていました。
一方、きらぼしコンサルティングで担当してくださった阿部さんは、私の抱く課題意識をじっくりとヒアリングした上でさまざまな可能性を考慮した幅のあるプランを提示してくれて、当社に合った“オーダーメイドの箱”を一緒に作ってくれる印象を受けました。そのあたりのスタンスの違いが、きらぼしコンサルティングにお願いした決め手となりました。
最初に幅のある提案をしていただき、阿部さんと議論を重ねながら最もイメージに近いプランに絞り込んでいきました。ただ、選択肢が多いとどうしても迷ってしまうこともあるんですよね。それでも阿部さんは要所要所で、それぞれの選択肢のシミュレーションを細かいデータで示すとともに、「社長のお気持ちを考えると、こちらの選択肢が良さそうです」など、少し強めに背中を押してくれたのでスムーズに検討できたと思います。毎回、資料の準備や提案の手際が良いことにも感心しましたね。私も刺激を受け、「明日は阿部さんが来るから、しっかりと勉強しておこう」などと、本気になりました(笑)。
将来の選択肢が多様になるホールディングス化という選択
最終的には、ホールディングス化および付随する施策により、「経営と所有の分離」を実施することにしました。こうすることで、例えば、息子が継ぐ場合にいきなりオーナー社長を任せるのではなく、まず経営だけに専念する育成期間を設けることもできます。また、どちらの息子も継がない場合は、親族外の適任者に経営を委ねるといった柔軟な対応が可能になりました。
また、今回の組織再編を通じて、持株会社から事業会社を見るという新たな視点を持てるようになりました。例えば、現時点で具体的に検討しているわけではありませんが、M&Aなども現実的な選択肢に入り得るようになり、事業展開のビジョンが広がったと感じます。
信頼関係をベースにして、人事制度改革にも着手
事業承継の問題が整理されて肩の荷が少し下りたことで、次なる課題として人事制度改革に取り組み始めました。会社が今よりもずっと小規模だった頃から制度を変えていないため、現状に合わない問題が生じていたためです。
これまで阿部さんと一緒に入ってくださっていた森田さんにコンサルタントを担当していただいています。正直なところ、人事制度を変えていく過程では企業としての未熟さをありのままに話さねばならず抵抗感がありましたが、これまでの仕事ぶりを通して、きらぼしコンサルティングを深く信頼できたため、私も裸になる覚悟ができました(笑)。
最近、自分が経営者として全力で取り組めるのは、あと何年くらいだろうかと考え、バックキャスティングの視点から、やるべきことを検討するようになりました。根底には、社内外を問わず当社が関わる全ての人に対し、「向き合う」「寄り添う」「高め合える」という姿勢を大切にして、企業としてあるべき姿を追いかけたいという思いがあります。今以上に社員が生き生きと働ける職場をつくり、地域社会に貢献できるように、きらぼしコンサルティングの力も借りて様々な課題を乗り越えていきたいと思っています。
担当コンサルタント(阿部)より
「俵積田社長の会社やご家族に対する思いを何より大切にしつつ、承継および経営の選択肢を狭めないようにスキームに幅を持たせながらも、結論への道筋を意識した提案を心がけました。俵積田社長には、理想と現実のバランスを含め、一つひとつ確実にご理解をいただきながらお話ができたため、複雑な内容ながらも大変スムーズに進めることができました。引き続き、人事制度改革についても任せていただき、心より感謝しております。」
合同資源サービス株式会社
設立:1982年9月
従業員数:92名
資源分別回収事業、リサイクル処理、一般・産業廃棄物収集運搬業
取引支店:田名支店

代表取締役の俵積田憲一様に語っていただきました。
