事業継続の優先課題が見えてきた。
「SDGsとは?」から始まった体質改善。

末広商事株式会社

(中央)代表取締役社長・佐藤好哉様(左)常務取締役・有川一也様(右)取締役・佐久間隆様



末広商事株式会社は、鉄スクラップをリサイクルして鉄鋼製品を再生産する電気炉製鋼メーカーに、不純物を除去する副資材や、溶解・精錬に必要な補助材料などを販売している専門商社。サーキュラーエコノミーの最前線を支える企業です。創業90周年を迎え、「きらぼしSDGs評価プログラム」で自社の持続可能性をあらためて見直すと――? 
浮き彫りになった課題を対策することでさらなる体質強化へつながった事例を、代表取締役社長・佐藤好哉様、常務取締役・有川一也様、取締役・佐久間隆様に語っていただきました。

 

客観的な評価でリアルな課題も会社のスピリットも再確認

――「きらぼしSDGs評価プログラム」を受けたきっかけから教えてください。

 

佐藤社長 お取引先様に上場企業が多く、いち早くSDGsに関する取り組みを宣言されている中、足並みを揃えたほうがいいだろうと考えていました。人材採用にもプラスに働くかなとの期待もあります。とはいえ当初は漠然としていて「そもそもSDGsの内容って?」という状態。そんなときにきらぼし銀行の担当者から評価プログラムを紹介されたんです。

 

――このプログラムはお客様の取り組み状況を5分野(人権・労働、環境、公正な事業慣行・組織体制、製品・サービス、社会貢献・地域貢献)37項目から評価分析します。明らかになった強み・弱みはなんでしたか。

 

佐藤社長 当社が90年当たり前に続けてきた事業、あるいは業界そのものがSDGsの持続可能な生産に当てはまると知りました。そのうえで生産現場に寄り添い、お客様のご要望にきめ細かく対応してきたフットワークの軽さが当社の強みだと再認識しました。商品を直接購買してくださるセクションだけでなく、実際に商品を使用して品質の善し悪しや改善点を把握されている現場の方々とも信頼関係を築いてきたことが営業の大きな核となっています。人との縁を大事にする姿勢はよかったんだという安心感を得られました。

 

有川常務 その一方で、時代の要請でもある社内コンプライアンスの整備やハラスメント対策、人材育成などが弱いことが浮き彫りになりましたね。なんとなく自分たちの中で線引きしていたつもりでも、明確な定義を共有していなかったんです。

 

佐久間取締役 これまでは肌感覚で仕事してきたといいますか。評価プログラムの結果をもとに、推進する取り組みを「SDGs宣言書」にまとめたのですが、当社の経営方針や創業の精神、存在意義といったものをあらためて振り返ることになりました。文章に書き出すことで、私たちが精神的な支柱にしているもの、古い言い方ですが「末広魂」みたいなものを確認する機会にもなりました。

プロのチェックを受けながら社内規定や給与体系をアップデート

――「SDGs宣言書」によって目指す目標が明らかになると、具現化に向けてのコンサルティングもオーダーされました。

 

佐藤社長 緊急性が高いもの、重要性が高いものをマッピングしていただきました。それを見てすぐに着手できるもの、たとえばハラスメント対策はプロ講師による研修を依頼しました。社内規定や給与体系なども、社労士の先生を含むきらぼしコンサルティングの担当チームの監修のもと最新版にアップデートしました。論点をわかりやすく整理していただいたので社員向けの経営方針説明会も和やかに終わりましたね。

 

佐久間取締役 末広商事の哲学も大切にしてくださり、説明会に向けて明文化していただきました。今までは上司と一緒に客先を回って見よう見まねで仕事を覚えてきたけれども、「情報吸収力とフットワークを武器に、お客様の事業の一翼を担い続ける」「困ったときの末広頼みと言わせる寄り添い力」などと、具体的な言葉にしたことで若い世代にも仕事の姿勢を伝えやすくなったと思います。

 

有川常務 “ハラスメントは許さない”、“社員のメンタルヘルスを重視する”といった人権・労働への姿勢を打ち出して社内の風通しもよくなった気がします。若手も以前より自由にものが言えるようになったんじゃないかな。私自身もきちんと言葉にして柔軟にコミュニケーションするようになりましたね。

 

佐藤社長 社会貢献活動として相撲文化の後援を明記したので、社員みんなで名古屋場所の観戦に行ったりして交流も深まりました。最近では離れた拠点間の女性社員の交流もサポートしています。「SDGs宣言書」に書いたことはほぼ達成できたと自負しています。

次世代に哲学を伝え、さらなる「信頼」へのよすがに

――SDGsの視点から経営を見直してよかったことはなんですか。

 

佐藤社長 事業の持続可能性を考えたときに、今まで自分たちがやってきたことを再確認して検証までできたこと。時代が変化しても継続していくもの、変えていくべきもの、それぞれを把握できました。末広商事の個性を次の世代に伝える手立てができました。

 

佐久間取締役 私たちが先輩たちから受け継いできたのは「信用」「信頼」。大企業ができないきめ細かい仕事をやってきました。当社が策定した「SDGs宣言書」を手がかりに、若い人たちに末広商事の歴史や営業哲学を継承してもらいたいですね。

 

佐藤社長 「SDGs宣言書」は各拠点の入口に掲示しています。取引先をはじめステークホルダーの皆さんに見ていただくことで新たな「信頼」につながればと期待しています。

 

有川常務 きらぼしグループも当社の事業に寄り添い、さまざまな場面に駆けつけてくれました。その信頼関係があればこそ、今回も安心して任せることができました。これからはSNSなどを活用した情報発信にも力を入れていきたいですね。

担当コンサルタント(橋本・間嶋)より

会社が大事にしようと決めたことを「SDGs宣言書」に明記し、同時にこれまで十数年変わらなかった社内規定の見直しやハラスメント研修まで真摯に実施されたことに敬服しています。達成できた目標は更新し、1〜2年に一度くらいの頻度で宣言書を改定してもよいでしょう。事業の継続に欠かせない人材採用の面でもお手伝いできることがあるかと思います。高度専門人材などもご紹介しながらさらなる体質強化を支援してまいります。

末広商事株式会社SDGs宣言書

こちらから

末広商事株式会社

設立:創業:1934年11月

従業員数:従業員数:9名

事業内容:

事業内容:製鋼副資材、造滓材、各種添加材、耐火物、燃料の卸売販売

取引支店:神田支店

http://www.suehiroshoji.co.jp

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